2009年2月26日 (木)

K-1 NJKF前田パーティ

2009年2月23日(月)のFieLDS K-1 WORLD MAX 2009 日本代表決定トーナメント、 一回戦でコスプレ戦士・長島☆自演乙☆雄一郎とHAYATOが対戦した。HAYATOは、彼が10代の頃からのジムメイトだから、当然応援したが、長島☆自演乙の勢いを止めることはできなかった。HAYATOも攻撃力はあるんだけど、長島のパンチをまともに食らってしまった。HAYATOの課題は防御。K-1ではKOを量産しそうな、薄いグローブを使っているからなおさらだ。
 で、こうなれば、長島を応援したわけだが、長島も山本優弥で、HAYATO戦で出血した目じりからの流血でドクターストップ。これも残念な結果に。長島☆自演乙☆雄一郎は、ほぼパンチのみ。山本戦では右膝蹴りも出していたが、日本拳法そのままの戦い方だった。
まあ、練習ではいろいろやっているんだろうけど。面や胴をつけて戦う日本拳法の蹴りは素肌で戦うキックボクシングやK-1にでは不道理なところもあると思う。タイ式のミドルやローキックを試合でどんどん当てられれば、パンチももっと活きるはず。長島は、まだまだ伸びる余地はある。

ところで、
2月22日日曜日、山木アキラ会長率いるインスパイヤードモーション所属のNJKFバンタム級王者、前田浩喜のタイトル防衛祝賀パーティの出席。山本アキラ会長は、山木ジムの先輩に当たる。歳は僕のほうが大分上だけど。
 タイトル奪取からかなり経ってからパーティをしたのは、前田にもっとチャンスを与え、売り出そうという意気込みの表れのようだ。
 3月1日、ディファ有明で前田は、日本バンタム級王者の寺戸伸近と対戦する。これに勝てば、日本バンタム級のトップの一人として評価が定まるはずだ。
 このM-1ムエタイの興行は、メインにムエタイの倒し屋、アヌワットが出るなど、以下のようになかなかのカード。楽しみである。

M-1ムエタイ
開催日: 2009年03月01日(日)
開始: 16:00
会場: ディファ有明
第12試合 メインイベント(2) WPMF世界フェザー級タイトルマッチ 3分5R(インターバル2分)
アヌワット・ゲオサムリット(タイ/王者)
駿太(谷山ジム/挑戦者・WMAF世界フェザー級王者)

第11試合 メインイベント(1) WPMF世界ライト級王座決定戦 3分5R(インターバル2分)
増田博正(スクランブル渋谷/元全日本ライト級王者)
デッーサムット・チョールークサムット(タイ/元王者)

第10試合 セミファイナル ライト級
カノンスック・ウィラサクレック(タイ/M-1フェザー級王者)
遠藤智史(AJジム/全日本ライト級王者)

第9試合 55kg契約
藤原あらし(S.V.G./前全日本バンタム級王者)
アピラック・KTジム(タイ)

第8試合 第2代M-1バンタム級王座決定トーナメント準決勝
前田浩喜(インスパイヤードモーション/NJKFバンタム級王者)
寺戸伸近(青春塾/全日本バンタム級王者

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2009年2月14日 (土)

ひどい本だった、『白洲次郎の生き方』(馬場啓一著)

講談社文庫から出ている『白洲次郎の生き方』(馬場啓一著)という本を買ったのだが、本文を読み始めて、すぐに「しまった」と思った。p.15の5行目から7行目に以下のような記述がある。

「白洲次郎は明治三十五(一九〇二)年二月十七日に生まれた。父親は文平、母は芳子という。次郎とは通常二男に付ける名前である。では長男がいたのか。兄である白洲家の長男がどういう人物であったか、資料ではうかがえなかった。」

 白洲次郎には5歳年上の兄、尚蔵と3歳年上の姉、枝子がいた、後に2歳年下の妹、福子、9歳年下の妹、三子もできた。この著者は、なぜ簡単に調べられることも確かめずに、いい加減なことを書くのだろう。そのままスルーさせる編集者も……。

p17の白洲次郎の祖父、退蔵に関する記述も大いに疑問だ。
p17の6行目から7行目にこうある。

「余談だが、退蔵は慶応義塾を興した福沢諭吉と近く、福沢はしばしば退蔵に借金を申し込んだという。」

『福翁自伝』(福沢諭吉著)を読めばわかるが、福沢諭吉が何よりも嫌っていたもののひとつが借金だった。金がなければ使わないことを身上とし、また、決して借金しないことに誇りを持っていた。この金銭哲学については、わざわざページを割いて長々と語っているほどなのである。福沢が「しばしば退蔵に借金を申し込んだ」ということはありえないと思う。たとえ、退蔵が、横浜正銀行の頭取を勤めた人物だとしても。

わずか3ページで、読む気をなくした。それでも、第3章「酒の嗜み」を読んだが、ほとんどが著者のウイスキーに関する薀蓄で、白洲次郎についてのことはほんのちょっと。

 とにかく、この本はひどい。

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加藤諦三  エリック・クラプトン自伝 福翁自伝

続 先端科学・社会・心 加藤諦三

2009年1月26日、早稲田大学にて講演を聞いてきた。

早稲田大学理工学部名誉教授、加藤諦三先生の講演はこれで2回目。前回は先生の早稲田大学最終講義を大隅講堂で聞いた時だからかれこれ1年ぶり。

今回は、本来研究者向きの授業だが、加藤先生の意向で一般公開されることとなったのだとか。
この加藤諦三先生の研究テーマは大雑把に言うと「幸福とは何か? 」ということなんですね。

大雑把な記憶で書く、興味のある人は加藤先生の著書にあたることをお勧めするが、最終講義では、アメリカの受刑者を通した「心の幸せ」の研究が紹介された。

加藤先生が、ハーバード大学で研究していた時分、刑務所の受刑者を調べたところ、受刑者なのに、自己を肯定できる心理状態にあることがわかった話などが興味深かった。日本人だと、罪を犯すと親族からも村八分にされて、自己を肯定できなくなるんだそうな。でも、アメリカでは、家族の絆は破壊されないケースが多いそうだ。

今回の講義でも、日本人の心の平和、幸せが危機に陥って様子が、多く語られた。オバマの就任演説についての解説もよかった。先生自身の生い立ちなんかの話もあった。
最後には、質問コーナーがあったが、自分の悩みを要領を得ず話しまくる質問者が数名いた。中には、結構キテル感じのもあったが、加藤先生は動じずじっくりと聞いて、適切に答えていたと思う。人生相談のキャリアを感じられて、感心しました。

加藤諦三いいな。俺は好きですよ。

多少、私の心の平和にも先生の話が効いています。

『エリック・クラプトン自伝』読了。
麻薬中毒が済んだら、すぐアル中に。親友ジョージ・ハリスンの元妻結婚し、愛人が生んだ息子が4歳で転落死と、小説家なら、完全に自殺してそうな人生だが、そのたびに曲を生み出し、生き延びてきたクラプトン。今のゆるさもいいね。

福沢諭吉の自伝『福翁自伝』はもう少しで読了。
福沢先生はいいな。

慶應大学に行くんだったな。

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2008年12月22日 (月)

三番瀬まで行ってきた。

Img_2558 18日午後、船橋にある三番瀬に行った。
東京湾に残る干潟である。
冬至真近、
遠くの海に行くには日が短い。

京葉線の二俣新町という駅から、歩くこと約二キロ。
倉庫と工場しかない殺伐とした景色はなんだかなあ。
僕はそもそも、豪邸の並ぶ町を歩くのが好きだからね。

しかし、海辺に出ると
「来るだけのことはあったな」
と思う。
強い海苔の匂い。
水際には、じゅうたんのよう緑色の藻のようなものがある。
アオサというやつだろうか(未確認)。

帰りも、バスを逃し、歩いた。

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2008年12月 3日 (水)

コスプレイヤー系格闘家を名乗る、長島☆自演乙☆雄一郎

コスプレイヤー系格闘家を名乗る、長島☆自演乙☆雄一郎と選手がいる。
入場時にコスプレ、それも美少女戦士風のコスプレをする選手で、乙というのは乙女ってことらしい。
現時点(2008年11月30日)で12戦12勝8KO。
NJKFのリングで2度見たが、おもしろい。2試合ともフック系のパンチの連打でいわゆる「秒殺」KO勝ち。
2008年9月27日の宮古市宗一郎戦では、早々にものすごい勢いで首が後ろに反り返るくらいにカウンターでストレートを食らっていた長島だが、動きを止めず、フックが1発当たったら一気に連打でKO。「効いたのはありませんから」とコメントしていたが、食らい方も豪快だった。現役時代、結構ワイルドなファイトで鳴らした元MAフライ級王者の早田寛カメラマンも
「いいっすねえ。食らって効くようじゃだめですよ」
 ちょっとクラウチング気味に構え、蹴りは使わなかったから、キックボクシングとしてはちょっと変則かも。

長島はのぺーとした体つき。身体は柔らかそう。フックのインパクト時、拳にスピードがある。
小学校4年生から中学まで柔道をやっていて、その後、日本拳法、フルコン空手をやったらしい。ファイトスタイルから言うと、日拳がベースという感じがする。
日本拳法は関西系と関東系で技術が異なる。両方、取材したことがあるが、関西系のほうが技術的には優れていると僕は思う。

11月9日の古川照明(NJKFウエルター級1位)戦はNJKFスーパーウエルター級決定戦となった。これは1R1分4秒KOで長島が勝ちタイトル奪取。なんでそんなことになったかというと、1発目のフックで、もう古川の動きは止まってしまうわけ。そこから、長島のフックが止まらない、止まらない。顎にがんがん当たって、タフな古川もノックアウトされたというわけ。

こうして、王者になったにもかかわらず、「おばかなニュース」として報道されてしまうところもすごい。
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/cat_17773.html

長島の過去の試合も映像で見たけど、投げありのMARSトーナメントでは、現場で見た2戦に比べればアップライトなキックボクシング的構えだった。やっぱり食らうときは結構豪快に食らっていました。

今後、対戦相手も研究してくると思う。が、何とか、「K-1MAXでコスプレして優勝」という目標に向かって邁進してほしい。ただ、だんだん強い相手とやることになると思うので、タフだはといっても、あんまり顔面に食らわないようにしたほうがいいと思うけど。

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2008年11月 8日 (土)

頭軸圧-ジャブ-ジャック・ロンドン

以前は、首の具合が優れないことが多かったが、
ジムワークの前に、三点倒立をするようになってから調子がいい。
『構造医学』(吉田勧持著)という本に頭軸圧法という整体方法が紹介されていた。頚椎の長軸方向にぴったり一致した圧力が加わると、むしろ、頚椎関節の潤滑が高まり、頚椎の位置も正しい位置に復元できる、というのが、構造医学の説。アフリカで水の入った壷を頭に乗せて運ぶ人たちには頚部の疾患が少ないのだという。で、三点倒立いいんじゃないかと思ったというわけです。
やっている間に、コキコキ首が鳴る。整体効果があるのかも。
ともかく、三点倒立で調子がよくなっているのは間違いない。

クロスポイントに来て9ヶ月になるが、中距離の攻防、パンチははっきり向上したと思う。ジャブの多用もいい結果を生んでいる。
ジャブはアヌワットのフォームを参考にした。相手によるけど、割と当たるように思う。全然反応しない人もいる。わかりにくいのかも。

『ジャック・ロンドン放浪記』(原題 The Road)、読了。
生々しい話だ。ある意味『野生の呼び声』の人間版みたいな。
どうやってロンドンが放浪から足を洗ったのか書いていない。話は唐突に終わる。気持ちの上では死ぬまでホーボーだったようだ。

追記:三点倒立でその後少し首を傷めてしまいました。おすすめはしません。

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2008年9月17日 (水)

谷郁乃、あるいは桐島彬

平成8年、199611月号のザ・マーガレットがあって、そこに「あなたのいる風景」という漫画が載っている。作者は桐島彬という漫画家で、本名を谷郁乃といった。当時は20歳かそこらだった。もう12~13年、会っていない。連絡先もわからない。が、その頃は結構頻繁に会っていた。彼女の作品をとっておいているのは、彼女が好きだからだし、その頃の思い出も大切に思っているからだ。

今年、2008915日月曜日敬老の日、いや14日日曜日だったか、本多図書館前の交差点の近く、ちょうどOKストアに向かう道筋で二人づれの若い女とすれ違った。右側を歩いている女はショートカットで髪はパーマを当てたように巻いている。パンツルックで、胸の大きく開いた服を着ていた。そちらに目をやると先方は「あっ、木村さん」と言った。それは僕の姓だ。しかし、その顔に見覚えがない。誰だろう、と考えているうちに横断歩道を過ぎ、振り返ると、向こうも振り返り、こちらを見ている。

人の顔は覚えているほうなのに。なぜわからないのだろう。あるいは、子供の同級生の親か何かで、うっかり忘れているのかもしれない。

しばらくすると、すれ違った女の謎が気になりだした。そして、可能性の一つとして浮かんだのが、あれは谷郁乃だったのではないか、ということだった。12年前は国分寺の漫画家仲間のところへよくアシスタントをしに行ったりしていたから、ここで会うのも、まるっきり不自然とは言えない。

うんと時間がたっているし、髪型も違う。雰囲気が変わっていてわからなかったのかもしれない。それにしても、顔をわからないなんて、ありえないと思う。それにも係わらず、谷郁乃だったかもしれない、という思いは膨らんで、どうしようもないものとなって、「なぜ誰かわからないなりに、声をかけておかなかったんだろう」という後悔に変わった。

試みに谷郁乃、桐島彬の双方でWeb検索してみたがまるっきりヒットしない。

今日、これを書いたから、これがヒットすることになるだろう。

(その後、本人から連絡あり。人違いだったようです)



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2008年3月13日 (木)

KIBAマーシャルアーツクラブ オープン

お奨め 格闘技ジム 

KIBAマーシャルアーツクラブ
2008年3月個人的に今年一番のニュースといえば、2月にキックボクシングジムとしての山木ジムが23年の歴史を閉じ、女子ボクシングジムになったことだ

山木ジムは下北沢から世田谷区若林に移転した(山木ボクシングジム 会長 山木敏弘 電話03-5431-1297、〒154-0023東京都世田谷区若林1-24-4)。

 何といっても20年近く練習してきたジムだから、寂しいが、山木ジムの先輩や後輩がいろいろなところでジムを開いている。その中で、地理的に通いやすい吉祥寺のクロスポイント(会長 山口元気)で、今は練習している。

 Sh010039 この3月、また山木ジム出身者がジムを開いた。
 元MA日本キックボクシング連盟フライ級3位のランボー松風が会長を務めるKIBAマーシャルアーツクラブ。打撃を中心とした総合格闘技のジムである。

 KIBAマーシャルアーツクラブ

 住所:東京都渋谷区幡ヶ谷2-13-4 幡ヶ 谷定石ビル4階

 電話・FAX:03-5371-2080

http://kibamaclub.com/cn8/index.html


松風のジムのことは山口元気に聞いたのだが、MA日本キックボクシング連盟ミドル級チャンピオンだった港太郎もインストラクターを勤めているという。しかも、所属する選手、昇侍は初代パンクラスライト級チャンピオンとなっているというから驚いた。大分前に、新宿スポーツセンターで総合の練習をしている話は聞いていたが、ジム開設とは。

 Webで見ると、まさに開いたばかりのジムのようなので、応援をかねて見に行った。京王線の幡ヶ谷駅を降りてすぐ、歩道の看板が目に入る。駅から徒歩0分。アクセスはいい。階段で4階まであがると、入口はガラス張りで、「お気軽にお入りください」というようなことが書かれている。入ると体験入門の人と見学者が1人ずついた。聞けば滑り出しは順調のようだ。

 最近はクラス指導を中心にしている格闘技ジムが多いが、個別にキックボクシング、組み技を練習できるマンツーマン体制でやっている。このあたりは、僕としてはプラス評価。会員が増えてくれば、また工夫が必要になるかも知れないが。営業時間が長いのも○。

 HPによると、

月~金曜日  14:00~23:00

土曜日     11:00~21:00

日曜日     11:00~18:00

定休日     祝日

現在、全ての時間帯に全てのコースが受講可能です。

(ダイエットクラスも同様に営業時間内ならいつでも受講できます)

インストラクターは常に在中してますので個人のレベルに合わせた

トレーニングを指導します


現在の担当は昇侍・港・Yoshimura・松風が行います」

 僕も体験で練習させてもらった。組み技も興味があるので、少し教えてもらった。ここでは柔術ではなく、道着なしのグラップルを練習している。道着は最初に買うお金が結構かかるし、練習に持っていくのにもかさばるので、仕事帰りに練習したい社会人には助かる。なかなか、魅力的なジムになりそうである。なぜか、今のところ女性の入門者が多いのだそうです。

 京王線沿線に住んでいる人には、通いやすいはず。かなりおすすめです。下の写真は昇侍選手の対グラウンドミット打ち。
Sh010043

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2007年7月 8日 (日)

2007.7.1NJKFキックとあれこれ

第10試合 メインイベント 68kg契約 3分5R
○センチャイ・ソー・キングスター(タイ/ルンピニーSフェザー級王者)
×石毛慎也(東京北星ジム/元NKBウェルター級王者)
判定3-0 (和田50-49/多賀谷50-49/山根50-49)

7月1日のNJKFのメインイベントではタイ国ルンピニー・スーパーフェザー級王者センチャイ・ソー・キングスターが元NKBウェルター級王者石毛慎也と対戦するというので楽しみにしていた。センチャイはルンピニーSフライ級、バンタム級を制した後、Sフェザー級タイトルも制した選手で身長163cm。58.97kgがリミットのSフェザー級においても小柄な選手である。リングサイドで熊久保氏(元ゴン格編集長)に聞くと、タイのほかの王者も「センチャイが一番強い」と太鼓判を押すほどの選手だという。それが68kg契約で176㎝の石井と対戦するのだ。もちろん、センチャイは68kgに体重を上げることはできないだろうから、完全なハンデマッチだが、これでセンチャイが石井をあしらうとすれば、まさに達人である。
 で、結論を言うと、期待ほど面白くはなかった。当日65kgまで増量したセンチャイは石井の技を見切り、前蹴り、ミドル、組みついては崩し、ペースを取る展開。パワー負けしないために増量したのだろうが、返って動きの切れをなくす結果になっているように見えた。余裕を持って、負けない試合をした、というのが本当のところだろう。そこで、見とれるほどの神業のような動きが出れば、「おおっ」となるのだろう。が、今ひとつ切れがなく、倒す意思も感じられない、ということになれば、「達人というのはつまらないものだな」という感じなる。
 センチャイはもう少し本来の体重に近いウェイトで調整すべきだったのではないか。
体格差のある選手をムエタイの一流に挑戦させる場合、石井のような、ムエタイスタイルの選手よりも、パワーを持ち味とするアグレッシブな選手をぶつけたほうが面白いかもしれない。

石井も及ばないながら、最後までよくやったとは思う。
NJKFの選手は、ムエタイに近い首相撲の制限がないルールでやるのだから、打倒ムエタイのハードルはより高い。K-1やRISEが首相撲を厳しく制限する意味もこうした試合を見ると、判る気がする。たとえば、桜井洋平がセンチャイと対戦するとして、ここまで組まれてしまうと、同じ結果になってしまうかも。ムエタイに近いルールで試合をしていることはNJKFの大きな特色で、魅力でもあるが、こういう場合については、特別ルールとして多少組み、首相撲の制限というものを例外的に考えてもよいのかもしれない、と思う。

もっとも、武術的な意味においては、センチャイの動きは示唆に富んでいて、ためになったが。

第9試合 セミファイナル2 肘無し 67kg契約 3分5R
○健太(E.S.G./NJKFウェルター級4位)
×イ・テウォン(韓国/E.M.Aピリアス/大韓ムエタイウェルター級王者)
判定3-0 (センチャイ50-44/多賀谷50-43/和田49-43)

ファイナルよりは健太とイ・テウォンの対戦のほうが、分かりやすい打撃戦でよかった。


第4試合 70kg契約 3分5R
×古川照明(インスパイヤード・モーション/ウェルター級3位)
○守屋拓郎(町田金子ジム/ミドル級8位)
5R 2'20" TKO (タオル投入:右ローキックで2ダウン後)

そのほかでは、第4試合が面白かった。パンチのラッシュ、コンビネーションで攻勢をかける古川に守屋はローキックを当てながら、耐える。3R以降、「もうローが効いているはずだ」、と思ってみていたが、古川の脚はなかなか止まらず、前に出続ける。ローを当てられた左足でミドルをけるとかね。とにかく、動きが止まらないのがすごい。「本当にローは効いていないのか」と思うくらいだった。それが、5Rに急にダウン。効いても、一見平然と攻撃を続けているところなどは、タイの一流どころの試合みたいだった。もちろん、守屋けり続けた守屋も立派。見ごたえのある試合だった。タオル投入も妥当なタイミングだったと思う。
 こういうのは、3回戦ではあまりない展開。5回戦の見ごたえってこういうところにあると思う。

 こういう、ローキック対パンチのラッシュというケースで5回戦になると、ローキックが有利だと思う。しかし、ローが効かない相手もいる。
2005年6月24日、MAキックでの白鳥忍対西山誠人戦ではローキックを当て続けた西山にパンチで攻めた白鳥が判定で完勝した。その時は
○白鳥 忍(高橋/全日本ライト級王者・元MA日本Sフェザー級王者)
×西山誠人(アクティブJ/J-NETWORKライト級王者)
判定3-0 (緒方50-46/大澤50-47/小林50-47)
という結果だった。ローをカットしているわけでも、逃がしているわけでもないのに、動きは少しも止まらない。どうなってるんだ、という感じでしたね。

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2007年5月16日 (水)

武術的格闘技としてのムエタイ


 5月13日日曜日、久々に後楽園ホールでキックボクシングを観戦。ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)の興行で、メインは真王杯55kg級王者の米田貴志とM-1バンタム級王者のワンロップ・ウィラサックレック戦だった。といっても大多数の人にはよくわからないんだろうな。
 現在、いろいろあって、もっともメジャーな打撃系格闘技と言えばK-1と言う感じになっていて、キックってK-1と何が違うの? という人も多いかもしれない。もちろん、K-1だってキックボクサーが出ているわけで、キックボクシングといってもいいのだけど、NJKFを含めキックボクシングの団体はいくつかあって、ここ5年ほどの間に、ルールにばらつきが出てきている。
 大雑把に言えば、ムエタイよりのルールとK-1やR.I.S.E.よりのルール。
 NJKFは今や希少価値が出てきたムエタイよりのルールの団体なのである。
 5R、肘打ちあり、首相撲からの膝蹴りあり。
 K-1は3Rが基本で、判定上パンチ、攻撃的な戦い方への評価が高く、長時間の首相撲は禁止で、首を抑えての膝蹴りが一発までといった感じ。K-1のほうが断然メジャーなのだが、こうしたアグレッシブ重視を明確に打ち出したのはR.I.S.E.のほうが先だったように思う。
 ほかに、3Rで判定をしてドローだったら、4R、5Rを回が終わるごとに判定する「サドンデスマッチ」とか「ショーダウンマッチ」とかいう延長戦方式を使う団体とか、新日本キックボクシング協会のように、肘、首相撲ありルールのままタイトルマッチ以外は3Rにする団体があったり、グラデーションがあるわけ。
 UFCやPRIDEのような、グラウンドでの打撃が認められる総合格闘技がある時代だから、かつてムエタイが「立ち技最強」と呼ばれた意味を今更考える人はそうそういないかもしれないが、ムエタイの強さの本質は、「わかりにくい」とルール上排除が進む傾向にある「首相撲」「膝」「肘」にある。これらは、剣術で言えば鍔迫り合いに当たる部分で、武器術にも通じる武術的な部分である。ムエタイという競技は、武術的な要素を絶妙に残しながら、スポーツとしても成り立っていて、格闘技としての有効性にも優れた稀有な代物なのである。ここで言う「武術的要素」というのはたとえば刃物のような武器に対応し得る技術を指している。元BBTV世界フェザー級王者の島三雄さんなんかは「前手捌き」という言い方をしていたが、打ち合いでない、「捌き」の攻防があり、そこに「武術的」な魅力はあるのだ。中国拳法の推手の経験がある人なら、あるいはこの辺の感覚は分かるかもしれない。しかし、ほとんどの中国拳法ではキックボクシングのようなパンチや蹴りでの攻防の能力はあまり身につかないのではないか、と思う。
 そういう視点で戦いを見ていると、結構面白かった。全体的な選手のレベル自体はK-1MAXが上なのだが、NJKFにはムエタイよりのルールならではの面白さがあるのだ。声援の具合を見ると、観客にもムエタイ好きが多いように感じた。
ちなみに、当日のダブルメインイベントの結果は以下のとおり。


第11試合 メインイベント 55kg契約 3分5R
×米田貴志(OGUNIジム/NJKFバンタム級王者・真王杯55kg級王者)
○ワンロップ・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/M-1バンタム級王者)
判定0-2 (多賀谷48-49/高木49-49/小林49-50)

第10試合 WINDY CUP 59kg契約 3分5R
○久保優太(立川KBA/NJKFフェザー級王者)
×ファーカムワーン・SKVジム(タイ)
判定2-0 (小林50-49/高木50-50/センチャイ50-48)


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