谷郁乃、あるいは桐島彬
平成8年、1996年11月号のザ・マーガレットがあって、そこに「あなたのいる風景」という漫画が載っている。作者は桐島彬という漫画家で、本名を谷郁乃といった。当時は20歳かそこらだった。もう12~13年、会っていない。連絡先もわからない。が、その頃は結構頻繁に会っていた。彼女の作品をとっておいているのは、彼女が好きだからだし、その頃の思い出も大切に思っているからだ。
今年、2008年9月15日月曜日敬老の日、いや14日日曜日だったか、本多図書館前の交差点の近く、ちょうどOKストアに向かう道筋で二人づれの若い女とすれ違った。右側を歩いている女はショートカットで髪はパーマを当てたように巻いている。パンツルックで、胸の大きく開いた服を着ていた。そちらに目をやると先方は「あっ、木村さん」と言った。それは僕の姓だ。しかし、その顔に見覚えがない。誰だろう、と考えているうちに横断歩道を過ぎ、振り返ると、向こうも振り返り、こちらを見ている。
人の顔は覚えているほうなのに。なぜわからないのだろう。あるいは、子供の同級生の親か何かで、うっかり忘れているのかもしれない。
しばらくすると、すれ違った女の謎が気になりだした。そして、可能性の一つとして浮かんだのが、あれは谷郁乃だったのではないか、ということだった。12年前は国分寺の漫画家仲間のところへよくアシスタントをしに行ったりしていたから、ここで会うのも、まるっきり不自然とは言えない。
うんと時間がたっているし、髪型も違う。雰囲気が変わっていてわからなかったのかもしれない。それにしても、顔をわからないなんて、ありえないと思う。それにも係わらず、谷郁乃だったかもしれない、という思いは膨らんで、どうしようもないものとなって、「なぜ誰かわからないなりに、声をかけておかなかったんだろう」という後悔に変わった。
試みに谷郁乃、桐島彬の双方でWeb検索してみたがまるっきりヒットしない。
今日、これを書いたから、これがヒットすることになるだろう。
(その後、本人から連絡あり。人違いだったようです)
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コメント
どうも人違いだったらしい。
投稿: kimura | 2008年11月 1日 (土) 08時50分